キャッシュレス決済の需要が高まっているけれど、導入にかかる費用が気になる……とお考えの自営業者のみなさん。お得にキャッシュレス決済を導入できる「キャッシュレス・消費者還元事業」をご存知ですか?
キャッシュレス・消費者還元事業とは、経済産業省が主導し、国内のキャッシュレス決済化を進める事業です。2020年4月末までの申請に限り、中小企業や個人事業主のお店やサービスでキャッシュレス決済を導入しやすい補助制度を受けられます。
今回は、キャッシュレス・消費者還元事業について徹底解説していきます!事業の概要やキャッシュレス決済業者の選び方など、今すぐ使える情報をまとめました。これからキャッシュレス決済の導入を考えている人はぜひご参考にしてくださいね。
キャッシュレス・消費者還元事業とは?
まずは、キャッシュレス・消費者還元事業について、チェックしていきましょう。
キャッシュレス・消費者還元事業の概要
今回ご紹介する「キャッシュレス・消費者還元事業」は、2019年10月の増税に合わせて行われている事業で、「中小・小規模事業者」と「消費者」に対する優遇制度があります。事業のポイントは次の4つです。
・中小・小規模事業者がキャッシュレス決済を導入しやすい
・決済手数料が2020年6月30日まで実質2.16%
・登録中小・小規模事業者のお店で買い物すると消費者に最大5%のポイント還元
・フランチャイズなど一部の事業は消費者還元2%
ざっくりと説明すると、中小・小規模事業者が、今回のタイミングをきっかけにキャッシュレス決済を導入することで、導入の際に必要となる端末導入費用の補助や決済手数料の補助を受けられます。また消費者はそのお店での買い物金額の最大5%をポイントとして受け取ることができます。
キャッシュレス・消費者還元事業者の該当者
そこで次は、キャッシュレス・消費者還元事業で「中小・小規模事業者」に該当する条件を確認しましょう。
出典:経済産業省|キャッシュレス・消費者還元事業 (ポイント還元事業)の概要
該当するのは、「製造業その他」「卸売業」「小売業」「サービス業」の業種分類に属する企業です。個人事業主もしくは業種ごとの条件を満たしている企業は、キャッシュレス決済の中小・小規模業者として、制度を利用することができます。ただし、該当しても課税所得額が15億円以上の場合は対象外です。
また、フランチャイズチェーン加盟店の場合、優遇の条件が異なるので注意してください。
そもそもキャッシュレスとは
キャッシュレスとは、その名の通り「キャッシュ(現金)」を使わない決済方法です。クレジットカードを筆頭に、PASMOやSuicaなどの交通系ICカード、最近では〇〇PayというQRコードを使った決済方法も話題ですね。
キャッシュレス決済の一番のメリットは、かさばる現金を持ち歩かなくて済むことです。私自身、デビットカード中心のキャッシュレス生活を実践していますが、現金の持ち合わせを心配する必要がなかったり、利用額に応じてキャッシュバックを受けられたり、ポイントを受け取れたりといいことづくめです。
一方、キャッシュレス生活の辛いところは、比較的大きなお店でないと導入が進んでおらず、会計前に確認が必要な点。いつもの癖で現金の持ち合わせがなく、会計前に気がついた……ということもたまにあります。小規模店舗でも当たり前に使える日が来るといいのになと思っていたので、今回の事業にはとても期待しています。
なぜ国がキャッシュレス化を進めているの?
話がそれましたが、なぜ国は事業としてキャッシュレス化を進めているのでしょうか。経済産業省が平成30年4月に発表した「キャッシュレス・ビジョン」によると、以下のように説明しています。
今後我が国は、少子高齢化や人口減少に伴う労働者人口減少の時代を迎え、国の生産性向上は喫緊の課題といえる。キャッシュレス推進は、実店舗等の無人化省力化、不透明な現金資産の見える化、流動性向上と、不透明な現金流通の抑止による税収向上につながると共に、さらには支払データの利活用による消費の利便性向上や消費の活性化等、国力強化につながる様々なメリットが期待される。
つまり、キャッシュレス化を進めることで、労働力不足を補い生産性を高めるだけでなく、支払いデータの活用なども目指しているとしているのです。
日本のキャッシュレス普及率
「キャッシュレス・ビジョン」によれば、2015年時点での日本国内のキャッシュレス普及率は18.4%で、お隣の韓国は統計で最も高い89.1%でした。その他、欧米やアジア圏での普及率が、40~60%であることからも、日本のキャッシュレス化は相対的に進んでいないことがうかがえます。
出典:経済産業省|キャッシュレス・ビジョン
海外ではキャッシュレス決済が一般的なことから、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、外国人観光客のニーズに応じたサービスの環境整備一環として、キャッシュレス化の動きを加速させているという背景もあります。
今回の事業では、キャッシュレス端末を持つ業者を増やすことで、消費者が利用しやすい環境を整え、国全体でキャッシュレス普及率を上げようという狙いがあるのです。
キャッシュレス・消費者還元事業のメリット
次に、キャッシュレス・消費者還元事業に参加することで得られるメリットを考えていきます。加盟店と消費者それぞれの観点から確認していきます。
中小・小規模事業者のメリット
事業者側としては、導入のコストを抑えられるというメリットが大きいです。端末費用は決済事業者が1/3、国が2/3を補助してくれるため、導入費用はかかりません。加えて、2020年6月30日までは決済時の手数料が引き下げられ、事業期間中は通常の手数料にかかわらず、実質2.16%となります。
もちろん、すでに端末を導入している場合も、事業に登録することで端末導入以外の補助を受けることが可能です。これまで需要はあったけれど、導入のタイミングを見計らっていた方は今がチャンスです。
消費者のメリット
消費者のメリットは、キャッシュレス・消費者還元事業に参加している事業のサービスを利用すると、買い物金額に対する最大5%がポイントや現金として還元されます。
例えば、カードにポイントサービスがある場合はポイント還元、私が使っているデビットカードの場合はキャッシュバックがあります。会社によっては、還元額は月15,000円までなど上限を設けている場合があるので、詳しい条件はお使いのキャッシュレス業者のホームページなどをご確認ください。
キャッシュレス・消費者還元事業者に登録する3ステップ
事業の概要やメリットがわかったところで、次は登録までのステップをご紹介します。今回はキャッシュレス代行業者に初めて登録する方法を説明します。なお、今回はモバイル決済業者の登録ステップをご紹介しています。
ステップ1:利用するキャッシュレス決済代行業者を選ぶ
まずは、決済業者を選ぶことから始まります。キャッシュレス決済代行業者は数多くあるので、選ぶ時は迷ってしまう人も多いと思います。
これから決済業者を選ぶ人にチェックしてほしいポイントは次の5つです。
・決済の種類
・導入スピード
・手数料
・入金サイクル
・セキュリティ
選び方のポイントやおすすめの業者はこちらの記事で詳しく解説しています!
→徹底比較!キャッシュレス決済サービスの選び方を解説【2020年最新版】
決済代行業者とは簡単に説明すると、キャッシュレス決済サービスをお店に提供するシステムを持つ業者です。
例えばクレジットカードには、VISAやMastercard、JCBなどブランドがあります。決済代行会社を介さない場合、お店はそれぞれの会社と加盟店契約を結んだり、売り上げを入金したりという手間がかかります。つまり、一対多数の構図です。
一方、キャッシュレス決済代行業者を利用すると、加盟店登録代行、売り上げ入金など一対一の対応のみで可能です。自分で決済機関と提携するよりも、手数料・時間・手続きを簡略化することが可能です。
ステップ2:登録に必要な資料などを準備する
利用するキャッシュレス決済代行業者が決まったら、業者ごとに求められる資料の準備をしましょう。ここでは、一例をご紹介します。
・本人確認書類(運転免許証・パスポート・住民票・健康保険証など1点)
・法人は法人番号がわかる書類(登記簿など)
・固定店舗情報、販売方法、集客方法が記載されている店舗実態の資料
・取り扱い商材の料金や価格帯が記載されている資料
業者ごとに求められる書類は異なりますので、申請時はそれぞれの公式ホームページなどでご確認ください。
また、モバイル決済代行業者を利用する際は、スマートフォンやタブレットがあらかじめ必要な場合があります。
ステップ3:決済業者の利用登録
多くのキャッシュレス決済業者は、インターネット上での登録が可能です。登録時には先ほど用意した書類が必要になります。キャッシュレス・消費者還元事業者の登録もこのステップで完了できます!
ステップ4:審査を通過し利用開始!
情報の登録や書類の送付が完了すると、さっそく加盟店審査が始まります。加盟店審査では、その名の通り各キャッシュレス決済の加盟店として、利用開始できるかどうかが審査されます。
決済代行業者によって審査完了までの日数は異なりますが、ほとんどが10~14日営業日ほどで完了します。審査を通過すると、決済端末や販促ポスターなどが届き、お店のキャッシュレス化が完了。キャッシュレス決済をスタートできます。
導入を検討中の人必読!キャッシュレス決済サービスを選ぶポイント
最後に、導入を検討中の人が知っておきたいキャッシュレス決済代行事業者の選び方をご紹介していきます。最後に、導入を検討中の人が知っておきたいキャッシュレス決済代行事業者の選び方をご紹介していきます。
導入費と固定費が抑えられるか
経営者のみなさんが気になるのは、導入費と固定費がどのくらいなのかという点ですよね。消費者のキャッシュレス利用のニーズは高いとわかっていても、コストが高くては導入をためらってしまいます。
キャッシュレス決済代行業者の最低手数料は、キャッシュレス・消費者還元事業中は一律で実質2.16%と決まっています。みなさんに確認して欲しいのは、通常の手数料です。最低で3.24%~なので、業者を選ぶ際の基準にしてください。また多くのキャッシュレス決済代行業者では、月額手数料のような固定費は発生しません。業者を選ぶときは、通常手数料を必ずチェックしましょう。
対応している決済の種類が多いか
次のポイントは、対応している決済の種類です。キャッシュレス決済の種類を今一度確認してみましょう。
キャッシュレス決済 | 特徴 | 主なサービス |
クレジットカード | 支払いは後日指定口座からの引き落とし。利用額に応じてポイント付与。支払い回数を選べる。利用可能金額はカードの種類によって異なる。 | VISA、Mastercard、AmericanExpress、セゾン、JCB、Diners、Discoverなど |
デビットカード | クレジットカードとは異なり、指定口座に入っている金額の範囲で利用可能。利用後は即座に口座から利用額が引き落とされる。 | VISA、Jデビットなど |
電子マネー | カードにあらかじめ金額をチャージし、チャージ分されている分のみを利用できるのが電子マネーです。特にSuicaなどの交通系カードはコンビニや自動販売機でも利用できる。 | 交通系ICカード(Suica・PASMO等)、nanacoなど |
QRコード決済 | 端末にQRコードをかざすもしくは店頭のQRコードを読み込んで決済する方法。口座やクレジットカードと連動する方法やチャージ型があり、高いポイント付与率から利用者が急増中。 | LINE Pay、楽天ペイ、Origami Pay、PayPay、WeChat Payなど |
スマホ決済 | スマホを専用端末にかざして決済する方法。クレジットカードや電子マネーのカードをアプリに登録し、まとめて管理ができる。 | Apple Pay、おさいふケータイなど |
利用者数から見て、クレジットカードと電子マネー電子系ICカードが利用できることはマストの条件です。デビットカードは、VISAやJCBのクレジットカードが利用可能です。
せっかくキャッシュレス決済を導入するからには、王道+αが利用できる決済業者を選ぶのがおすすめです。
サポート体制が整っているか
最後のポイントは、サポート体制が整っているかという点です。ご覧いただいた通り、日本国内でのキャッシュレス化はまだまだ進んでいないのが現状ですね。導入する加盟店でも、現場で実際に使う事業者側がそもそもの仕組みがわからないと、大丈夫かなと心配になると思います。
そこで、導入する際はサポート体制についても必ずチェックしてください。メールの対応だけではなく、電話窓口があれば安心です。また、決済代行業者によっては事業者向けのQ&Aサイトを開設しており、簡単なことならネットで完結できる体制も便利です。
おすすめ決済サービスはCoiney
上記3つのポイントを踏まえ、私がおすすめするのはCoiney(コイニー)です。Coiney(コイニー)は通常手数料が3.24%~と同業者の中で最も低い基準です。またキャッシュレス・消費者還元事業に参加すると、端末代は無料です。もちろん、電話やメール等のサポート体制も整っており、初めてキャッシュレス決済端末を導入する人、機械の使い方に自信がない人でも安心です。
Coineyについてもっと知りたい人はこちらもチェック!
まとめ
今回はキャッシュレス・消費者還元事業についてご紹介してきました。今、日本はまさにキャッシュレス決済の分岐点となるタイミングを迎えています。
ご紹介したようにキャッシュレス・消費者還元事業への登録や導入の手順は簡単です。決済業者のサポート体制も整っているので、気軽に導入することができますよ。
ぜひこの機会にキャッシュレス・消費者還元事業に参加し、お店や事業のキャッシュレス化を進め、顧客満足度をアップしていきましょう!