国を挙げての「キャッシュレス・消費者還元事業」が始まり、これまで現金会計のみで営業してきた個人事業主や中小企業も、キャッシュレス決済を導入しようか悩んでいることでしょう。
しかし、いざ導入するにあたって調べてみれば、「あまりに多くのキャッシュレス決済サービス提供会社があり、どれにしたらよいのか検討がつかない……」こともままあります。
そこで今回はキャッシュレス決済サービスのひとつである「Square(スクエア)」について、徹底解説いたします。
Squareはどんな事業者におすすめなのか、料金、導入方法などを分かりやすくまとめています。ぜひお役立てください。
Squareってどんなサービス?
Squareは、一体どんなキャッシュレス決済サービスなのか。まずは概要から確認していきましょう。
運営会社 | Square,inc. |
決済手数料 | 3.25%~3.95%(2020年6月末までは3.25%) |
対応決済サービス | クレジットカード、Visaタッチ決済、Apple Pay |
選択可能支払い回数 | 1回 |
決済種類 | Square Reader、オンライン決済 |
端末料金 | 7,980円(キャンペーン中は無料) |
入金のサイクル | 決済完了日の翌日 |
売上振り込み手数料 | 無料 |
アプリDL対応OS | iPhone、iPad、Android |
Squareは、Twitterの創業者として有名なジャック・ドーシー氏によって開発されたキャッシュレス決済サービスです。
いち早くキャッシュレス決済サービスに目をつけていたほか、話題性もあったため、アメリカでは数多くの顧客を獲得しています。
しかし、海外発のサービスということもあり、対応決済サービスはクレジットカードがメイン。そのほかはApple PayとVisaタッチ決済しかないのはデメリットといえるでしょう。
現在、日本ではクレジットカードのほか、電子マネーやモバイル決済を利用する人々が増えています。
日本発のサービスの多くはすでにこのような状況に対応し、クレジットカード、電子マネー、モバイル決済のすべてが利用可能なものばかりなのです。
店舗を利用するお客様の年齢層が年配であるなど、クレジットカードを利用するお客様ばかりであれば問題ないかもしれません。
しかし、そうでないようであれば、ほかのキャッシュレス決済サービスも検討してみてください。
Squareを選ぶべき人はどんな人?
Squareがおすすめなのは、主に以下に当てはまる方々です。
- すぐに売上の入金がほしい方
- シンプルでスタイリッシュな決済端末がほしい方
- スタッフ管理や在庫管理など、すべてを一本化したい方
なぜこのような方々にSquareがおすすめなのかは、下記のおすすめポイントにてご確認ください。
Squareをおすすめするポイント6つ
シンプルな決済端末
Squareの決済端末は、その名前のとおり四角形。それも手のひらに乗るようなとても小さなサイズです。
無駄をすべてはぶいたそのデザインは、とてもスタイリッシュ。オシャレなカフェやヘアサロンなど、どこに置いても空間を邪魔しません。
使い方もいたって簡単で、クレジットカードを端末に差し込むだけ。Apple PayやVisaタッチ決済も、端末にかざすだけでお会計が完了します。
直感的に使いやすいため、誰でもすぐに使いこなせるでしょう。
登録も入金もあっという間
Squareは、最短で申込み当日から利用可能なキャッシュレス決済サービスです。
導入方法についてはのちほど詳細に解説しますが、そのスピーディさは大きなメリットといえるでしょう。
また、売上の入金は決済完了日の翌日です。
それでいて振り込み手数料もかからないため、資金繰りには苦労しづらいでしょう。
誰でも使える料金体系
導入費用を除けば、Squareは3.25%~3.95%(2020年6月末までは3.25%)という決済手数料のみで利用できます。
料金目安についてものちほど詳細に解説しますが、誰でもとっつきやすい分かりやすさです。
スタッフ管理が可能
Squareには「POSレジSquare Stand」と連携できる機能がついています。
別途、端末購入料金が32,980円(税込)かかってしまうため要検討となりますが、POSレジSquare Standを導入すれば、レジだけでスタッフ管理も可能となります。
POSレジSquare Standのレジ画面から従業員がログインすると、その時間に合わせて出退勤の時間が自動的に記録。
休憩時間も記録できるほか、残業時間も自動的に算出されるため、賃金の管理がとても楽なるでしょう。
なお、Squareのスタッフ管理機能には無料版と有料版(月額3,000円)があり、有料版ではスタッフごとの売上レポートをはじめとしたさまざまなデータを確認できます。
在庫管理が可能
Squareの公式サイト、もしくはアプリより会員ページへとログインすれば、在庫情報が確認できます。
また、在庫が少なくなった場合には、自動でメール通知が入るため、うっかり在庫を切らすといったミスもなくなるでしょう。
なお、すでに別の方法で在庫情報をまとめている場合には、.xlsxファイルか.CSVファイルであれば、インポートも可能です。
Square ギフトカードで新規顧客を獲得
Squareでは、サービスの一貫としてギフトカードの作成をおこなっています。
ギフトカードにはいくつか種類があり、一般的なギフトカードであれば1枚120円から作成可能。
デジタルタイプのギフトカードであれば、無料で作成できます。(お客様がギフトカード使用時にカード決済手数料3.25%が発生)
集客方法のひとつとして役立つでしょう。
Square導入の手順と流れ
Squareのメリットを知ったうえで導入を検討したい方は、以下の導入までの手順も確認してください。
ステップ1:無料アカウントを作成
はじめに公式サイトからSquareの無料アカウントを作成しましょう。
「今すぐ無料のアカウントを作る」をクリック、もしくはタップし、メールアドレス・登録者情報・事業内容・入金先口座情報の4つの情報を入力するだけで作成可能です。
ステップ2:カード決済の有効化
Squareの無料アカウントを作成したあとは、Square Readerに申込みます。
アカウント作成後に、Square Readerの申込みページへのリンクも表示されますので、そちらから手続きを進めてください。
申込み後は審査へと自動的に進みます。
審査の結果は最短で申込み当日、遅くても3営業日程度で届きますので、待ちましょう。
ステップ3:決済端末の設定
無事に審査に通過しましたら、Square Readerが1週間ほどでSquare Readerが届きます。
Square Readerが届きましたら、Square POSレジアプリをインストールし、Squareアカウントでログイン。
設定画面より、詳細設定とSquare Readerとの接続をおこなってください。
決済端末の設定は簡単に終わります。万が一、分からないことがあった場合には、電話、もしくはメールで問い合わせましょう。
Squareの料金目安とサポート体制
Squareを実際に利用するにあたって気になるのは、導入費用だけでなく維持費用もでしょう。
また、使い続けるうえではサポート体制も気になりますよね。
ここでは、Squareの導入から維持までにかかる具体的な金額のほか、サポート体制も確認していきます。
料金目安
導入費用のほかでは、決済手数料、振り込み手数料、クレジットカード控えを印刷するプリンターと用紙代が、Squareの運用にかかる主な費用です。
固定費 | 0円 |
端末代 | 7,980円(キャンペーン中は無料) |
決済手数料 | 売上×3.25%~3.95%(2020年6月末までは3.25%) |
振り込み手数料 | 無料 |
プリンター | 別途購入が必要 |
用紙代(任意) | 1ロール約100円~ |
Squareでは度々、端末無料キャンペーンをおこなっているため、端末代を浮かせることは基本的に可能です。
しかし、導入するうえでネックとなるのは、レシートプリンターの購入でしょう。
レシートプリンターのお値段はピンキリですが、約2万~5万はかかると想定しておきましょう。
ただし、Squareではオンライン請求書の送信も可能なため、そちらで問題なければ購入する必要はありません。
(※レシートプリンターはSquareショップで購入できるもののほか、市販のものでもSquareと連携させるiPhoneやiPad、Androidで使えるものであれば問題ありません)
日本のキャッシュレス決済サービスのなかには、プリンターも「キャッシュレス・消費者還元事業」の期間中は無料となるケースが多いため、検討してみてください。
また、決済手数料が業界内ではやや高めの設定なことも気にかかります。
売上が発生しないことには発生しない手数料ではありますが、長い目で見ると大きな費用になってしまいますので、このあたりもよくご検討ください。
サポート体制
Squareでは、メールでの問い合わせは、365日24時間受付。電話での問い合わせは、日・祝日および年末年始と臨時休業日を除く月~土曜日のAM10:00~PM6:00までです。
海外発のサービスではありますが、サポートは日本語で受けられるため、ご安心ください。
Square導入までに気になるQ&A
Squareを導入するにあたり、疑問を持ちやすい点についてQ&Aでまとめました。
振り込みのタイミングは金融機関によって異なりますか?
金融機関によって、下記のタイミングでの振り込みとなります。
なお、日本国内の金融機関であればどこであっても、振り込み先として指定可能です。
- みずほ銀行、三井住友銀行……翌営業日
- そのほかの銀行……毎週金曜日
SquareはすべてのiPhone、iPad、Androidで利用できますか?
OSのバージョンによります。
公式サイトにて互換性検索が可能なため、下記にてご確認ください。
Square公式HP(対応機種について)
お客様からの暗証番号の入力は不要なのですか?
Squareは暗証番号不要です。
Squareと連携しているスマートフォンやタブレットの画面上にサインをいただくことで決済が完了となります。
日本で登録したSquare Readerを海外に持っていて使うことはできますか?
アカウント登録時に設定した国でしか利用できません。
海外で利用するためにはあ、改めてアカウントを作成する必要があります。
Squareはオンライン請求書に対応していますか?
ダウンロード無料の「Square請求書アプリ」と連携することで対応できます。
請求書アプリでは請求書の発行のほか、記録やデータ分析も可能です。
銀聯カードに対応していますか?
対応していません。対応クレジットカードは、VISA、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレス、Diners Club、Discoverです。
今後、電子マネーやモバイル決済に対応する予定はありますか?
対応できるよう検討と開発を進めているとのことですが、まだ明確な対応時期などは発表されていません。
まとめ
今回はキャッシュレス決済サービスのSquareについて、ご紹介してきました。Squareのポイントをまとめると、
- iOS端末でも、Android端末でも利用可能
- クレジットカードとVisaタッチ決済、Apple Payのみに対応
- 会員登録も売上の入金もスピーディ
- 導入費用と維持費用は相場よりやや高め
などの特徴があります。
Squareは最近のキャッシュレス決済サービスの相場から考えると、導入費用も維持費用もやや高めです。
対応している決済サービスの種類が少ないのも難点でしょう。
しかし、その代わりに連携サービスが手厚く、さまざまな業務をSquareのみにまとめられるのは大きなメリットです。
このあたりを踏まえ、ぜひほかのキャッシュレス決済サービスとも比較したのちに、導入を検討してみてください。