国を挙げての「キャッシュレス・消費者還元事業」が始まり、これまで現金会計のみで営業してきた個人事業主や中小企業も、キャッシュレス決済を導入しようか悩んでいることでしょう。
しかし、いざ導入するにあたって調べてみれば、「あまりに多くのキャッシュレス決済サービス提供会社があり、どれにしたらよいのか検討がつかない……」こともままあります。
そこで今回はキャッシュレス決済サービスのひとつである「Times PAY(タイムズペイ)について、徹底解説いたします。
タイムズペイはどんな事業者におすすめなのか、料金、導入方法などを分かりやすくまとめています。ぜひお役立てください。
タイムズペイってどんなサービス?
タイムズペイは、一体どんなキャッシュレス決済サービスなのか。まずは概要から確認していきましょう。
運営会社 | パーク24株式会社 |
決済手数料 | 3.24% or 3.74%~(2020年6月末までは2.16%) |
対応決済サービス | クレジットカード、電子マネー |
選択可能支払い回数 | 1回、分割、リボ払い |
決済種類 | カードリーダー |
端末料金 | 2020年3月中旬までの申込み受付完了で無料 (以降は35,000円/税込) |
入金のサイクル | 月2回(15日、月末) |
売上振り込み手数料 | 無料 |
アプリDL対応OS | 専用タブレット(無料) |
タイムズペイは、その名前のとおり、有料駐車場などのサービスで有名なTimesと同じ「パーク24株式会社」が提供しているキャッシュレス決済サービスです。
タイムズペイの最大の特徴は、キャッシュレス決済を導入するために必要なカードリーダー、プリンター、タブレットのすべてを無料で手に入れられるという点です。
キャッシュレス決済に利用するスマートフォンやタブレットをお持ちでない方に最適でしょう。
また、タイムズペイ加盟店になると、契約者様はTimesのカーシェアやレンタカーの利用時に割引があるといった特典もあります。
ただし、タイムズペイの対応決済サービスは、クレジットカードと電子マネーのみです。
近年、提供会社もユーザーも増加傾向にあるモバイル決済には対応していないのは難点でしょう。
モバイル決済も導入したいという方は、ほかのキャッシュレス決済サービスも検討してみてください。
タイムズペイを選ぶべき人はどんな人?
タイムズペイがおすすめなのは、主に以下に当てはまる方々です。
- 初期費用をかけずにキャッシュレス決済を導入したい方
- 決済用のタブレットもほしい方
- 導入費用もランニング費用も押さえたい方
- 手厚いサポートが必要な方
なぜこのような方々にタイムズペイがおすすめなのかは、下記のおすすめポイントにてご確認ください。
タイムズペイをおすすめするポイント6つ
初期導入費用=0円
先にもお話したとおり、タイムズペイはカードリーダー、プリンター、タブレットの3点が無償です。
しかも、「キャッシュレス・消費者還元事業」に登録している店舗だけでなく、登録していない店舗も変わらず0円で導入できます。
ただし、すべてが無料で手に入れられるのは2020年3月中旬までに申込み受付を完了した方のみです。
この期間を過ぎると、カードリーダーとプリンターを35,000円(税込)で購入しなくてはいけませんので、ご注意ください。(※タブレットはレンタル)
また、無償となるのは1セットのみです。お店が大きく1店舗で複数のセットが必要な場合や、複数の店舗にキャッシュレス決済を導入したい場合には、有償となります。
ランニング費用は0円
タイムズペイは月額固定費がかからないため、基本的なランニング費用も0円です。
実際に運用するうえでは、決済手数料やプリンターに使用する用紙代がかかりますが、こちらについてはのちほど詳細に解説します。
振り込み手数料=0円
タイムズペイでは毎月15日と末日の2回に売上の入金があります。
このときの振り込み手数料も、タイムズペイは無料です。
振り込み回数の少なさは、まだ資金が十分でない個人事業主や中小企業だと資金繰りに難が出やすいところです。
しかし、手数料無料は大きなメリットとなるため、振り込み回数と手数料のどちらを取るかは要検討してください。
決済処理が簡単
タイムズペイはカードリーダーにクレジットカードを差し込むことで決済処理を進められます。
電子マネー決済もカードリーダーにかざすだけで決済が完了します。
また、専用タブレットも誰でも操作しやすいように設計されているため、たとえデジタル機器に不慣れな方でも導入しやすいでしょう。
設定不要の機器3点セット
一般的なキャッシュレス決済サービスは、お持ちのスマートフォンやタブレットに自身でアプリをインストールし、設定する必要があります。
しかし、タイムズペイはカードリーダーもプリンターもタブレットも担当者が設定してくれます。
この点においても、デジタル機器に不慣れな方でも安心です。
365日対応の電話サポート
タイムズペイでは、365日年中無休のサポートセンターが用意されています。(対応時間はAM9:00~PM11:00)
カードリーダーやプリンター、タブレットに不具合が生じた場合や、使い方が分からないなど、困ったときにはいつでも電話相談が可能です。
タイムズペイ導入の手順と流れ
タイムズペイのメリットを知ったうえで導入を検討したい方は、以下の導入までの手順も確認してください。
ステップ1:お問い合わせ
まずは電話、もしくは公式サイトの「資料ダウンロード/お問い合わせ」から、タイムズペイについてお問い合わせください。
電話はAM9:00~PM11:00であれば、曜日や祝日などを問いません。
公式サイトからの問い合わせに関しては時間も問いませんので、都合に合わせてご利用ください。
ステップ2:営業担当よりご連絡
問い合わせ後、改めて営業担当より連絡が入ります。
ここでタイムズペイについて詳細説明がありますので、そちらを聞いたうえで納得できるようであれば、申込み手続きへと進んでください。
ステップ3:お申込み
申込みでは、お申込書に必要事項を記入するほか、下記のとおりの必要書類を用意してください。
・本人、もしくは法人確認書類
【個人申込みの場合】 | ・運転免許証、もしくは保険証などのコピー(両面) |
・営業許可証のコピー | |
・お店のメニュー表、パンフレット | |
【法人申込みの場合】 | ・法人登記簿謄本コピー(発行から3カ月以内) |
・営業許可証のコピー | |
・お店のメニュー表、パンフレット | |
【外国人のため上記書類がない場合】 | ・在留カードコピー(表面・期限切れ不可、在留期限内のもの) |
・外国人登録証明書コピー(表面・期限切れ不可、在留期限内のもの) | |
・特別永住者証明書コピー(両面・期限切れ不可) |
必要書類の詳細については、公式サイトもご確認ください。
タイムズペイ公式HP(必要書類について)
ステップ4:審査
申込みが完了すると、審査へと進みます。
審査期間は最短3週間ですが、2019年2月現在は申込みが多数のため、2か月以上かかるとのことです。
ステップ5:設置&利用開始
審査に無事通過しますと、タイムズペイの担当者が店舗にて機器の設置と設定をおこなってくれます。
このときに使用方法も説明してもらえるため、設置後はすぐに利用を開始できるでしょう。
タイムズペイの料金目安とサポート体制
タイムズペイを実際に利用するにあたって気になるのは、導入費用だけでなく維持費用もでしょう。
また、使い続けるうえではサポート体制も気になりますよね。
ここでは、タイムズペイの導入から維持までにかかる具体的な金額のほか、サポート体制も確認していきます。
料金目安
導入費用のほかでは、決済手数料、クレジットカード控えを印刷する用紙代が、タイムズペイの運用にかかる主な費用です。
固定費 | 0円 |
端末代 | 2020年3月中旬までの申込み受付完了で無料 (以降は35,000円/税込) |
決済手数料 | 売上×3.24%~3.74%(2020年6月末までは2.16%) |
振り込み手数料 | 無料 |
プリンター | 2020年3月中旬までの申込み受付完了で無料 (以降は35,000円/税込) |
用紙代(任意) | 1ロール約100円~ |
タイムズペイは固定費や振り込み手数料がかからないため、決済手数料とプリンターの用紙代のみが維持費です。
決済手数料を具体的に表しますと、たとえば5万円の売上があった場合の決済手数料は1,080円(2.16%のとき)。
人によっては高いと感じられるかもしれませんが、業界的には最安水準の手数料です。キャッシュレス決済を導入するうえでは避けて通れない必要経費と考えてください。
なお、タイムズペイ同様に最安水準の決済手数料を掲げているキャッシュレス決済サービスはあります。
維持費の安さでキャッシュレス決済サービスを選ぶのであれば、ぜひほかもご検討ください。
サポート体制
先にもお話しましたが、タイムズペイはサポート体制にも力を入れています。
365日、夜遅くまで電話でのサポートを受け付けられるのは、大手ならではでしょう。
タイムズペイ導入までに気になるQ&A
タイムズペイを導入するにあたり、疑問を持ちやすい点についてQ&Aでまとめました。
分割払いはすべてのクレジットカードでできますか?
クレジットカードの国際ブランドによって異なります。
国際ブランド | 利用できる支払い方法 |
VISA、Mastercard | 1回、分割払い、リボ払い |
Diners Club | 1回、リボ払い |
JCB、アメリカン・エキスプレス、Discover | 1回 |
デビットカードには対応していますか?
国際ブランドがVISAとMastercardであれば、利用可能です。
JCBと別途契約をしている場合には、JCBも利用可能です。
決済手数料に消費税はかかりますか?
タイムズペイの決済手数料はすべて内税です。
入金サイクルの詳細は?
1~15日の売上は、当月末日の入金です。16~末日の売上は、翌月15日の入金です。
振り込み前には必ず、支払明細書が発送されます。
セキュリティ対策はきちんとおこなわれていますか?
「改正割賦販売法」に準拠した仕様でおこなっています。(PCI-DSS、EMV対応)
タイムズペイはカードリーダーやタブレット内に、クレジットカード番号をはじめとした決済情報を残しません。そのため、お店はもちろんのこと、お客様にも安心して利用してもらえます。
なお、タブレットには通常のインターネットの利用制限がかけられています。ウイルスなどによる情報漏えいをも防ぐための対策です。
自分ですでに持っているタブレットを使用できますか?
タイムズペイは専用の端末でしか利用できません。
Wi-Fi環境が必要でしょうか?
必要ありません。タイムズペイはauの4G回線を使用しています。
また、セキュリティ対策のため、Wi-Fiでの接続は不可となっています。
カードリーダーやプリンターが故障した場合はどうしたらよいですか?
交換、もしくは新たに購入する必要があります。
機器の不具合以外では、基本的に有償交換となりますので、取り扱いには十分にお気をつけください。
タイムズペイで電子マネーはチャージできますか?
電子マネーのチャージ機能はついていません。
複数の店舗で利用したい場合、申込みはどうしたらよいでしょうか?
店舗ごとに申込みが必要です。
店舗件数分、申込書を記入してください。
まとめ
今回はキャッシュレス決済サービスのタイムズペイについて、ご紹介してきました。タイムズペイのポイントをまとめると、
- モバイル端末の用意は不要
- クレジットカード、電子マネーに対応(モバイル決済は非対応)
- 導入費用、固定費、振り込み手数料が無料
- 365日、電話でのサポートを受けられる
などの特徴があります。
タイムズペイは、カードリーダーとプリンターだけでなく、専用タブレットも提供される点が大きなメリットでしょう。
しかし、その反面、ほかのアプリをインストールすることはできず、POSレジアプリとの連携もできません。
このような点は、さまざまな業務をデジタル化している、もしくはしたい事業者の方には不便に感じられるかもしれません。
一方、デジタル機器の扱いに慣れていない、キャッシュレス決済にさえ対応してくれていればよいという方にとっては心強いサービスといえます。
このあたりを踏まえ、ぜひほかのキャッシュレス決済サービスとも比較したのちに、導入を検討してみてください。